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なおみ(多治見)
いつか私もそこに行ったら気の向いた時にでも会ってくれればいいよ
09月16日 17:31
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 エロイネ [1]
クロ、元気か?

私と私のお布団のないそこで、どうやって寝てるのかい?

ちゃんとあったかくて気持ちいいところを見つけたか?

私は今でも寝床でおまえを待ってしまうよ。

肩とふとんの隙間にひょいと鼻を突っ込んで、しばらくふんふんと匂いを嗅いでから、するすると入ってくるおまえのひんやりした体を。

私がいそいそと横向きにすると、おまえは背中をぴったり私の体につけて、私の脇にお尻をぴったりはめ込んで、まっすぐな尻尾で私の頬を撫でてくれたね。

『絹糸のような』

とは、お世辞にもいえない毛並みだけど、君の体を撫でながら眠りにつける私はどんなに贅沢だったんだろう。

すかしっぺはめったにしなかったけど、あれは強烈だね。

もしそこでいい飼い主を見つけてるなら、やらない方が良いと思うよ。

おまえは私が出会った最初の家族だから。

私の今までを一番知ってくれてるのもおまえだから。

おまえがどこに行ってても、いつか会いに行くからね。

本当は、おまえに迎えにきて欲しいけど。

私の最後の瞬間に、いつものように右肩のふとんの隙間から、するするっと入ってくれれば、どれだけ幸せな気持ちで逝けるだろう。

でも、人一倍好奇心の強かったおまえだから。

空腹もない。

病気も事故もない。

悪さをする人もいない。

そこで、自由気ままに探検し放題で夢中になって、うっかり忘れたとしても私は怒らないよ。

思う存分、遊びなさい。

もう苦しくもない、痛くもない、思うように動く元気な体を楽しんでおくれ。

いつか私もそこに行ったら、気の向いた時にでも会ってくれればいいよ。

今すぐにでも会いたいけど、夢の中でじらすのは意地悪すぎないかい?

クロ。

なおみ(多治見)
じっとして
09月16日 16:37
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 エロイネ [1]
「行かない、しんじられない
 
 じゃあ、どうして、指輪?」

「ああ、これ?意味はない
 外し忘れ…」

「何それ、◯◯
 
 ◯◯男、そういうところ
 ちゃんと…」

大好きな貴方の手が私の手に
触れて私を引き寄せる。

私は床に膝をついた姿勢で
椅子に座る貴方に抱きついた。

泣いてる私の頭を大好きな
貴方の手が優しく撫でてくれる。

「痛いの痛いの

 飛んでゆけ」

「もう、子供じゃ(ない)…」

「じっとして」

貴方の左手が私の頬に触れて
唇が触れ合うと、ドキドキは最高潮。

「止まんねえ」

胸の痛み?

どっか行っちゃった。

end

なおみ(多治見)
じっとして
09月16日 8:15
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 エロイネ [1]
貴方が放った独言は、私に問う。

「キスしたこと、怒ってるのか?」

「避けてませんし
 怒ってもいません
 
 あれはただの遊び…」

「俺は、本気だ」

「そんな、よく言えますね
 秋には結婚する人が…」

「ああ、あれ?破棄した」

あっさり、貴方は言う。

「そんな、(ゴツン)、痛い」

「おいっ、大丈夫か?
 ほらっ、出てこいよ」

貴方は椅子をずらしてデスクの中を
覗き込む。

そして、私へと両手を差し出した。

「出て、おいで」

つづく

なおみ(多治見)
じっとして
09月15日 18:52
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 エロイネ [1]
カタン

貴方は今、椅子に座った?

そのまま動かないで、じっとしてて。

私は、しゃがんだまま
貴方が帰るのを待ってる。

すると、貴方が席を立った?

こっちに来る?

カタン、キー

私が椅子をずらした音が響く。

バレたかなぁ?

そう、私は慌ててデスクの下に
潜り込んだ。

バレてないみたい。

息を殺していると私のデスクの前
貴方の足が止った。

私の椅子に座る貴方の長い脚
動かさないで、じっとして…

「ゴホンッ

 あのさ、そんなに俺のこと
 避けたい?」

つづく

なおみ(多治見)
じっとして
09月15日 16:15
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 エロイネ [1]
誰もいないオフィス…

貴方のデスク

綺麗に片付けられてると思ったら
机の下にペンが一本落ちてた。

しゃがんで拾おうとしたら声が
聞こえてきた。

「悪い、ちょっと待っててくれ
 
 あれっ、アイツ帰ったのか?」

アイツ

それは、きっと私の事。

こっちへ来る貴方の足音が聞こえる。

出ていけなくなった私は、しゃがんだ
まま机と机の間を移動して自分の
デスクに辿り着いた。

「書類あったぞ」

「課長、すいません

 トイレ…」

「ああ、急がなくていいぞ」

つづく

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