今日出勤しております。お時間のあるお兄様がいらしたらぜひお誘いください。お待ちしております??なおみ
「大丈夫か?」なんて言いながら、「俺、上位目指すから」と彼女を置いて行った男はそれでも彼氏なんだろうか?調子のいいゴマすり男め。(いや、ただ調子いいだけか)私も走らなきゃ、と頑張って足を引きずってるけど。運動不足に煙草を吸ってるせいか、すぐに息が切れて。「――あぁ! もう止め止め!」私の足はとうとう止まってしまった。私の後ろにはもう誰もいない。ってか、近くには誰もいなくて。目の前にはコンビニ、だけど「……ない」ポケットを探っても小銭すらない。あぁ、最低。なんて思ってたら、「サボリ?」
はぁはぁ……。なんでこんな辛い思いをして走ってるのか。うちの会社は総合商社で、今日は社長が流行りに乗じて開催した『第一回社内マラソン』の日だったりする。別に強制参加じゃない。「皆で参加しよう、な? 美香」最初、言い出したのは隆だった。隆は同僚で、彼氏。そんな彼はうちの課でムードメーカーでお調子者。「ほら、ダイエットになるから」私にダイエットしろって意味?そう思ってムッとしけど、「そうだな、じゃあ皆で参加しようか」なんてメタボ課長の一声でうちの課全員の参加が決まってしまった。
面接官「学生時代後悔してることは?」先輩「女性関係です」面接官「何があったんですか?」先輩「何もなかったんです」後日、先輩は面接に受かったらしい。
Rの実家は猫好きな一家で、野良猫に餌をあげているうちに家中猫だらけになってしまったそうだ。(高校の頃遊びに行ったが、ほんとにそうだった。)住み着いた猫が仔をつくり、その仔もまた仔をつくる。一時は、家庭崩壊しかけたほど猫が増えたそうだ。そのうちの一匹の猫の話。その猫も他の猫同様、野良時代に餌をもらい、それが何度か続くうちにRの家に住み着いた。そして、その猫も仔を宿し、五匹の子猫を生んだ。しかし、母猫は病気だった。出産後、餌は食べても吐いてしまうか、もしくはひどい下痢だった。だが、子供はまだ小さい。母猫は、じっと耐えるように五匹の子猫達を守っていた。あまりにひどそうなので、見かねたRの母親が病院に連れていこうと近寄るが、母猫は子供を取られると思っているのか、決して触らせようとしない。怒り狂って引っ掻いてくるのだ。次の日、母猫はついに動けなくなっていた。出産の疲労と病気による衰弱のためであろう。母猫の周りは、自らの汚物でいっぱいだった。しかし、母猫はいとおしそうに五匹の仔をまんべんなくなめていた。『こいつは、今日死ぬな。。。』衰弱しきった母猫をみてRはそう思ったそうだ。そしてその夜、Rの母親が2階の自室で寝ていると、モゾモゾと布団の中で何かが動く。それは、子猫だった。『あれ?』と思い、電気をつけてみると、他の四匹の子猫たちも自分の布団のまわりにいる。子猫たちは寒いのか、か細い声で鳴きながら布団に入ろうとしている。そして、少し離れたところに、あの病気の母猫が静かに横たわっていた。もう息はしていなかった。決して子供達に近寄らせようとしなかった母猫は、最後の力を振り絞って一匹一匹わが仔をここまで運んできたのだろう。死ぬ姿を人に見せないと言われるプライドの高い猫が、寝室の真ん中で死ぬことを選んだのだ。子供達を託すために。