汗ばんだ彼から香る、煙草とコロンの混じった香り。
横目で見上げれば、目の前のワイシャツの隙間から、綺麗な鎖骨が見えて、 彼に抱かれた夜がフラッシュバックする。
・・・その鎖骨に指を這わせ、キスしたい。
そんな妄想するも、束の間。
「ん。出来た。」
ホントにすぐ訂正出来たらしく、見ていたことがバレたのではないかと、ヒヤヒヤしながら、
軽く咳払いをひとつ。
「主任、熱いからって、開けすぎですよ?」
首元から目をそらして、訂正箇所を保存していると、
「ずっと見てたくせに?」
人の疎らな社内、誰にも気付かれないように、そっと。
耳元で、熱を帯びた甘い声。
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